ブラジルの移民…
- Shinichi Takeda
- 5 de mar. de 2016
- 3 min de leitura
ブラジルに日本から移民がたくさん来ていた時代は過ぎ去り、現在、ブラジルに移住しようなんていう人は皆無。JICAの青年ボランティアのプログラムでさえ、公用パスポートでくるため、移住目的ではない。日系企業の駐在員もとくに移住を希望している人はいない。一世、二世、三世…と世代が分かれ、日系社会の構成がどうなっていくのかと騒がれていた時代があった。今後、一世が増えることは、まず、あり得ない。つまり、これからの日系社会の行く末を見つめるとき、一体、何を考えたらよいのだろうか。ふと疑問に思うことがある。ブラジルの日系社会は、大きくなっているのだろうか。調査のしようもなく、よくわからない。外務省もそれほど、把握しているわけではない。しかも、どんな人を日系人とするのかが、あいまいである以上、調査すること自体が大変なのである。シミュレーションをするしかなないわけである。しかも、調査費もバカにならない。
ここまで書くと、いつも思うことがある。『人種差別』という言葉。この言葉は、実は、日系社会を閉鎖的な社会にしてはいけないということの裏付けになる言葉である。各種日系団体は、日本人(いわゆる日本国籍を有する人)、日系人(日本国籍に関係なく、日本人の血を受け継ぐ人)だけを対象とした団体ではなく、ブラジル人にも門戸を開けておかなければならないということである。ということは、必然的に今後の日系社会がどのようになっていくのかが見えてくる。種々の葛藤があるにせよ、日系社会は、ブラジル社会に溶け込み、日本人、とりわけ、日本の文化を受け継ぐ人々の集まり、それが、日系社会になっていくことになるだろう。その構成員が非日系人であったとしてもである。
今後、民族のことを考えるより、地球規模でどのようにしていくのかを考えていかないと、一つの地域が良くなっても国際的な分業体制が敷かれている以上、否めない話なのである。
少子高齢社会に突入した日本。ブラジルのことを考える暇もなく、人口増加をどのようにするか、それが問題である。過去に渡った多くのブラジル日系人が日本にデカセギにいった1980年代。それから、もう、20年以上がたった。デカセギに行ったブラジル日系人は、日本に永住する人が増えている。少子高齢社会の問題を解決するのに十分な人数とは思えないが、新しい解決策をみつける糸口になるかもしれない。
ブラジルだけでなく、世界に散らばった日本人(日本の移民)を、いまこそ、日本に集中させる政策をとることが、一つの解決策なのかもしれない。
そんなことを、ふと思った。
鳩が帰巣本能があるのと同じように、世界にちらばった日本の移民を日本に再移住させる政策をすることによって、今後の日本人増加に期待がかかるのかもしれない…。
(おわり)
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