いよいよ『西風』第2号が発刊のはこびとなりました。今回は、わたしの割り当ては、適当だったらしく、

前回と同様に２０ページ前後に収めました。『木村　欣三郎　物語』を連載しています。木村　欣三郎は、ブラジルに渡り、移民として生涯を終えた実在の人物です。彼の生涯に起きた出来事を物語に収め、後世のためにも日系社会の歴史の一つとしても記録として残しておこうと考えたため、このような物語を書き始めました。ただ、彼の生涯はなぞに包まれた部分が多く、筆者が調べた限りでは、史実を突き止めるところまでいかないだろうとの判断から、物語の域をでない作品になっています。分からない部分は、どうしても創作として埋めていかなければなりません。第1話を今回、掲載させていただいています。当時の時代背景を説明しながら、彼がなぜ、ブラジルに渡ることになったのか、日本に帰るつもりはあったのか。持参金はあったのか、なにをブラジルに持ってきたのか、夢と希望に満ちあふれていたのだろうか。船に1か月以上ゆられていたとき、何を思いながら、旅をしていたのか。異国の地に根付くための強い意志があったのだろうか…。彼の親戚たちは、南米に旅立つことをどのように考えていたのか。不思議は沢山、残されています。そのさまざまな疑問を一つ一つ、答えていくことで、この物語は、進んでいくと思います。

 

　いままでの移民史とは違った角度で移民の歴史に迫る連載小説！乞うご期待ください。（Shin1）